シン・ゴジラ雑感

真夏の日差しの中、シン・ゴジラを見に出かけた。

庵野秀明氏が監督ということで、エヴァンゲリオン的世界観が反映されるのかなと予想してでかけた。
内容についてはネタバレを避けるためにここでは省くが、いくつか心に残った、あるいは引っかかった点があるのでその辺りを書き留めてみる。

2016-08-21 12.36.09

1 ゴジラと核

ゴジラと放射性物質の関係は、初代ゴジラから引き継がれた基本設定。
核によって生まれたゴジラが、東京を破壊しながら放射性物質を撒き散らすというのは、現代の原子力発電所の問題に当然重ねての話だろう。
原発の比喩として描かれているゴジラに対して、人間が、あるいは日本政府や諸外国がどのように対応するかというところに今回の主題があるのだろう。

・・となれば、当然福島第一発電所の事件との関連を想起させるのだが、受け取り方は様々だろう。
私などはもしかしたら必要以上に受け止めてしまったのかもしれないが、東北の人たちはどのように受け止めただろうか?首都圏では?関西では?
このタイミングでこの作品が世に出たというのは、世に出やすい環境があったためだとおもえば、それはもしかすると「軽く受け止められる」状況になったということなのかもしれない。
そんなことを感じるのは悲観的にすぎるのかな?

2 霞が関

今回、良い意味で驚いたのが「霞ヶ関」の描き方。
主流から外れているかどうかは別にして、個人的には「すごいな」と思える官僚が霞が関にはたしかにいる(上から目線で失礼)。
もちろん、「頭でっかち」で「偏差値が高くて使えないやつ」にも出会ったことはあるが、概して優秀で一所懸命な人と出会う確率が高い。
そんな感覚から見ると、今回の霞が関の描き方は、けっこう「まとも」だなと感じた。

3 カメラワーク

これはもう完全にエヴァ。
あの「ヤシマ作戦」の回を詳細に描いたというのが、自分の中で一番ぴったりな感覚。
そういえば、2011年の震災の後も、この「ヤシマ作戦」という名前で、全国で節電しようという運動があったが、そのへんも意識されているのかもしれないな。

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