台湾の故宮博物院で一日を過ごした。商、周から春秋戦国時代が好きな人間にとっては、ここの青銅器コレクションは、たまらなく魅力的なものだった。
多くを語るより、写真でお届けする。
まず、言わずと知れた「鼎」。かなり大型で周囲に魔除けの文様が記されている。決して軽重を問わないように。
「爵」。爵位の「爵」。山羊をかたどった蓋つき。商の時代酒は祭祀に用いるものと思えば、「爵」を持つことが身分の高さを示しても不思議はなかったかも。商の時代に明確な爵位があったとは思わないが、後の人達が整理、あるいは解釈するにはよい素材だったのではないかな。
青銅器には様々な文様や文字が記されている。それでも、龍の正面図は初めて見た。
「鉞」。王の統帥権の象徴。結果的には行政権も含まれるのだろうね。
「戈」。「干戈を交える」の「戈」。戦車戦に適応した武具。相応の身分の証になるのかも。
斉の大臣である「国差（国佐）」の名が見える。この人がもっと腹の座った人だったら、晏嬰が歴史に名を残すことはなかったのかも。歴史に「もしも」は禁物（笑）。
ちょっと番外編。始皇帝による度量衡統一の際の「量=ます」と「衡=はかり」。
終われなくなりそうなので、この辺でとめておこう。
いや、見ごたえのある博物館だった。
おまけ
清の乾隆帝が「菅野時代の良品」と騙されてつかまされた偽物の玉璧だとか。この時代は、貿易で大儲けしていたのだろうね。