「将来の利益」のために人を育てる企業を増やす

「みやぎ・せんだい協働教育基盤による地域高度人材の育成」事業(宮城COC+事業)の第4回シンポジウム

新しい価値をつくる(Innovation)人材の育成を考える

を開催した。

今回は地域高度人材指標開発・評価部会が主担当となって、企業における人材育成戦略の実例を紹介しつつ、「地域高度人材」の捉え方、指標の開発、評価及びその活用と企業における連動との可能性について考える機会とした。
COC+事業というと、知っている人の多くは、「地域への就職促進」と捉えるが、それは教育機関がやるべきことではない。
では何をするのか、

学生自身が望む環境で活躍できる高い能力を身につけられるようにする
そのような学生が活躍できる地域企業を増やす

の二点につきる。

地域高度人材指標開発・評価部会では、その「高い能力」を評価するための指標づくりにとりくんでいる。
そこで議論されている、「地域高度人材」については

複雑な文脈が織り込まれた地域において、産業の革新と自治の担い手として、地域の文脈を理解しそれらに適応しつつ、関係者に能動的に働きかけ、新たな価値を生み出す人材

という定義している。
これは企業で言えば、「将来の利益」につながる新たなビジネスや、その種となる取り組みを生み出せる人材ということになる。
「現在の利益」を生む人材であれば社内での評価は難しくない、業績の数値で見えるからだ。
一方で、「将来の利益」を生む人材は、日常の業績で評価できるものではなく、

評価を通して成長を支援する

という姿勢が必要になる。
これが、いわゆる「形成的評価」だが、そもそもの評価の本質でもある。

そのようなことから、企業内で形成的評価に仕組みとして取り組んでいるヤフー株式会社の人材育成担当者である小向洋誌さんにお越しいただき、ヤフー社の人材育成の取組について具体的な事例をご紹介いただいた。

小向さんからは

  • ヤフー社の2012年の経営改革
  • 「ヤフーバリュー」の浸透のための施策
  • 「人材開発会議」と「1on1ミーティング」

といったことを、短い時間の中ではあったが、腹落ちしやすい言葉と具体例でとてもわかり易く伝えていただいた。

その中でも特に

乾いていなければ吸収しない

という言葉には、教育という仕事についているものとして深く考えさせられるものがあった。
学生たちが「乾く」環境をちゃんと提供できているだろうか、もっと「乾かせる」ために何ができるだろうか・・そういった取り組みと両輪になってこそ評価指標というのは意味を持つ。
今後の運営に際して考えることがいっぱいだ。

大学もそうだが、企業でも仕事とその評価を通して人が成長し、それを実感できる環境づくりが求められる。
それが企業にとっては継続的な利益の源泉になる。

「現在の利益」のために人材を使い潰すことなく、「将来の利益」のために人を育てる企業

を地域に増やすことが、結局、「地(知)の拠点大学による地方創生推進」というCOC+事業の本来の意義に沿った取り組みなのだと考えている。

(Visited 16 times, 1 visits today)

関連記事

  1. 地域コーディネートスキル講座終了

  2. コーディネーターは事業者自身が頭を整理できる問いを発する

  3. 高校での学びを仮説検証型の批判的アプローチへ

  4. 地域協働教育コーディネーター養成研修

  5. 地域の戦略を変える方法を学ぶ「地域イノベーター留学」

  6. 中小企業の経営革新に資するプロジェクトを設計せよ!

  7. 事象を解釈するための視点を定める授業

  8. 自主勉強会終了

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

CAPTCHA


Recent Posts

Archives