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中小企業に経営革新のエンジンをインストールする試み

今日は丸一日六本木。
ゴールドマン・サックス証券株式会社の社会貢献事業の一貫としてNPO法人ETIC.が実施している「ゴールドマン・サックス中小企業経営革新プログラム」のブラッシュアップ&審査会とそれに先立つ基調講義を担当した。
ブラッシュアップと審査の様子は外には出せないので、基調講義の講義録のみお届けする。

経営革新のメカニズム

基調講義のタイトルは「経営革新が起こるメカニズムとインターンシップの活用法」。実践型インターンシップが企業の経営革新にどうつながるかの概論講義だ。
ここで言う経営革新は、創発的戦略を企業戦略に取り込み、顧客の新たな欲求を満たす、新たな市場や商品、提供方法、組織などを生み出すプロセスとして捉えている。

中小企業がこのプロセスを実行しようとしたときに、創発型戦略につながる「環境との相互作用の中での試行錯誤」、つまり、新たなビジネスに繋がるような「試し撃ち」を組織としてどう実行するかという点が課題となる。新規ビジネスの開発や、自社のビジネスモデルの変革に専属で取り組める人材や部署を置く余裕などないのが多くの中小企業の現状だからだ。言い換えれば、多くの中小企業にとって

自社の経営革新のために意図して経営資源を配分するイノベーション戦略をもつこと

が共通した課題だということだ。

中小企業では、将来のビジネスの有り様を考えるのは経営者のみの責任であり、それ以外の社員たちは、現在の顧客のニーズに応えることを責務として負っている。しかし、経営者のからだはひとつしかなく、様々な構想を持ったとしても、仮説を検証し、戦略に取り入れるべきものとそうでないものを取捨選択するための思考錯誤をする余力はない。そこに、経営革新にインターンシップが活用できる機会が生まれる。

イノベーションのフェーズ

経営者の仮説検証の実行部隊としてのインターン生という存在を意識しつつ、経営革新のプロセスを分解すると、以下のような四つのフェーズに分かれる。

  1. イノベーションの種を見つける
    顧客の声やマクロデータから市場の変化と活かすべき自社の強みを読み取り、自社が試行錯誤するプロセスの方向性やプロトタイプをイメージする。
  2. 関係性を見直す
    自社のビジネスモデルの中に組み込まれている様々な要素の関係性を見直し、組み替えられる可能性を見出す。今回は一例として、「1kg○○円で米を売る」というビジネスを、「この田圃のこれだけの面積で取れた米を○○円で売る」というビジネスに切り替えた事例を紹介した。生産量に関わるリスクを農家から消費者に移し、自社のリスクも低減した仕組みだが、当然消費者がハッピーでなければ成立しない。それを成立させるところにこのフェーズの面白みがある。
  3. 仮説に基づいて試行錯誤を繰り返す
    現状の安定した状態を一旦捨て、探査型の行動によって新しい安定解を探る仮説検証のフェーズだ。新しいチャネルにアプローチしたり、新しい商品を投入したり、新しい仕組みを取り入れたりと、会社の内外に対してこれまでやっていなかったようなアプローチをして、現在の安定状態に様々なゆらぎを与える。これは、一般の社員が置かれている環境では非常に難しい。彼らが取り組むと、安定解を一旦崩すともう一度同じ安定解に戻すことが難しいからだ。また、そもそも安定解を効能を十分に理解しているが故に、それを崩すことに対する心理的ハードルも高い。そこにインターンシップを活用するポイントが有る。
  4. 事業・企業の変革
    試行錯誤を繰り返す中で、前者戦略に組み込みうるものを見出したら、ビジネスモデルを変えていく。それが事業の変革だ。更に、それにともなって社内の体制が変わり、やがて、B/S(Balance sheet 貸借対照表)の形が変わってゆく。底まで行くと企業が変革した状態だ

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お伝えしたかったこと

このプログラムは、中小企業の経営革新を目的としたもの。簡単にいえば、参画する企業が長期的に利益を出し続けるようになってもらうこと。もちろん、それは社会に対して価値を生み出し続けることで実現する。そのための原動力をインターンシップを活用して社内に構築していただければ嬉しい限りだ。

つまるところ、一所懸命がんばっている経営者にはちゃんと儲かってほしいのよね。 ` エ)

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