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未来を描くから課題は生まれ、活かすべき資源も見いだされる

仕事柄、地域の課題解決みたいなことに関わる機会が多い。
といっても、地域コンサルという立ち位置ではない。
これまで関わったのは中間支援のお手伝いや、地域での課題解決型プログラムのお手伝いが中心だ。

その中で、ずっと違和感を感じていたことが、先日株式会社ビズデザインの木村乃さんのお話を聞いていて、腑に落ちたので揮発しないうちに自分の考えも合わせてまとめておきたい。

木村さんのお話は要約すると

地域にはたしかにいろんなよいものはある。しかしそれらは資源ではない。
何をするかを定めて足りないものを探して見つかるもの、それが資源だ。

ということ。
木村さんとは以前から

人口減少は地域の「課題」ではないよね

という話でも盛り上がったりしたものだが、これら二つの話題に共通して言えるのは

課題解決のプロセスを考える順番がおかしいんじゃないか

ということだろうか。

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課題解決のプロセスで間違えてはいけないポイントの第一は「課題化」。
普段気楽に使っている「課題」という言葉を少し見直す必要がある。

課題とは未来のあるべき姿に到達するために乗り越えるべきもの

例えば「地域の人口減少が課題だ」という場合、人口が多い状態で実現する地域の将来像、というよりも

「かつての地域の姿」の未来への投影

を無意識のうちに将来像として持っている。だから課題だと思いこんでしまう。
ここで、人口減少を前提とした未来像を描いたなら、とたんにこれは課題ではなくなる。
むしろ、少ない人口でコミュニティの維持機能を果たすための仕組みづくり・・といったことが課題になるはずだ。
IIHOEの川北さんの「小規模多機能自治」はこの線で考えているのではないかな・・違ってたらごめんなさい)


課題が明確になっても、すぐには喜べない。
これに対する方策(コンサル屋さんは「打ち手」という)を考える際に、

地域にこんないいものがあるから、なんとかそれを使ってうまくやろう!

という思考に陥りやすいのだ。
これは、言葉を選ばずに言えば、地道な努力よりも「一発逆転ホームラン」を望む状態で、少し真面目に言うと、正解があるという前提のもとに、それに従って行動を定める「知識型の戦略策定」が行き詰まったときに現れる現象だ。
地域にあるものを活かして・・という考え方は、一見合理的に見えなくもないが、

本当にそれが課題解決に最適なものか

という問いを立てずに、しかもそこにしがみつこうものなら、いつまでたっても課題解決には近づかない。
やがては、「その道の専門家」に頼めばなんとかなるかも・・・などと藁をつかむようになる。

あくまで、課題解決につながる道筋を描いた上で使えるものを「地域の資源」として扱う事が必要だ。

ただし、その道筋が明確なものとは限らない。やってみなければわからない不確定なものは数多くある。それらを、ちゃんと仮説を持って検証していくプロセスや、「これはどう転ぶかわからないよな」と思うようなものを試しにやるプロセスもあったほうが良い。それは、地域の中に小さな突然変異を促し、地域の適応力を高める可能性があるからだ。
このあたりは、「はみ出し者」の役割だが、彼らをどれだけ許容できるかで、その地域の環境適応能力が決まるだろうというのが、複雑適応系マネジメントに沿った考え方だ。
なにか「地域のよいもの」を活用しようという取り組みは、小さな試行錯誤の一環として扱い、化けたら大きく伸ばすという考え方で言ったほうが良い。

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“この地域には、豊かな自然と、そこで育まれた食、そして何より素晴らしい人たちがいます。それこそが地域の資源です!”

・・などと言うと地域の人は一時的に気持ちよくなる。
課題解決の流れを十分に理解している人が、試行錯誤を促したり、地域の人の力を精一杯引き出すために言うのならよい。

しかし、一方でこれは似非コンサルの常套手段にもなる。

地域の人達にワークショップをさせて、瞬間的に盛り上げて、なんの結果も残さない。
しかし、書類上の実績として「どこそこの自治体で○○のワークショップを行い、住民の相互理解を深めた」などと書き連ねてよその仕事を取っていく。

そういったものに食い物にされないためには、地域の側、特に予算の執行を担う自治体担当者がちゃんと課題解決のプロセスを理解することが必要で、しかも、それはそんなに理解が難しいことではない。ここに書いた程度のことを意識していれば十分対応できる。
そこに意識したいのは

未来を描く

ことを真剣にやろうということ。

未来を描くから課題は生まれるのだし、
未来を描くから活かすべき資源も見いだされる。

地域の課題解決に限ったことではない。

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